こんにちは。玉川歯科医院の玉川誠一と申します。
今回は私が矯正治療を学ぶ過程で得た知識を共有する時間にさせてもらえたらと思います。

矯正治療は2025年の今となっては二つに大別できるかと思います。
これまで主流だったワイヤー矯正、
昨今大流行しているマウスピース矯正。
今日はこの2種の矯正治療の特徴違い向き不向きについてお話しします。

ワイヤー矯正 | 項目 | マウスピース矯正 |
目立つ場合が多い | 見た目 | 透明で目立たない |
金具で舌や唇が傷つく恐れあり | 痛み | 痛みは感じにくい |
歯の移動量が多く、短期間 | 治療時間 | 歯の移動量は小さく、徐々に |
強い力 | 力の加え方 | 弱い力を持続的に |
強い力ゆえに歯根吸収リスクあり | 歯根吸収 | 歯根吸収のリスク少 |
確実 | 正確な咬合 | 不向きな点がある |
歯ブラシが届きにくい | 清掃性 | ハミガキの時は着脱できる |
歯垢が溜まりやすくハイリスク | 虫歯歯周病 | リスクはさほど認められない |
着脱不可。不要。 | 自己管理 | 意図的に20時間以上つける必要 |
装置脱離時やワイヤー交換時には必須。来院頻度多め | 応急対応と来院頻度 | 来院頻度は少な目でも大丈夫 |
金属アレルギーの心配あり | アレルギー | なし |
項目が多くて大変ですが、小分けにして解説していきます。
① 見た目金属
ワイヤー矯正 | 項目 | マウスピース矯正 |
目立つ場合が多い | 見た目 | 透明で目立たない |
金属アレルギーの心配あり | アレルギー | なし |
百聞は一見に如かずと申します。ではこちらの写真をご覧ください。
マウスピース装着時と装着してないときの私の写真になります。死ぬほど恥ずかしい。
正直装着してるかいないか、いわれても分からないと思います。ちなみに→がつけてない写真になります。このように周りから矯正治療してるとは気づかれないレベルで見た目に優れるのがマウスピース矯正になります。ワイヤー矯正はどうしても金属が見えがちで、金属アレルギーの心配もゼロではないです。


② 痛みと移動量
ワイヤー矯正 | 項目 | マウスピース矯正 |
金具で舌や唇が傷つく恐れあり | 痛み | 痛みは感じにくい |
歯の移動量が多く、短期間 | 治療時間 | 歯の移動量は小さく、徐々に |
強い力 | 力の加え方 | 弱い力を持続的に |
強い力ゆえに歯根吸収リスクあり | 歯根吸収 | 歯根吸収のリスク少 |
痛みについても気になることかと思います。
私自身、父のワイヤー矯正治療の練習台になったことがあるのですが、舌が金具にあたって痛かったり、口内炎が発生するなど中々つらい思いをしました。
マウスピース矯正は金具などを使わないのでその心配は無用です。
歯を動かしたときの痛みは両者ともにあるのですが、マウスピース矯正では一個のマウスピースを一週間装着してもらって最大で0.25mm少しだけ動かす力を緩やかに加えます。マウスピース矯正の方がこのような緩やかな無理のない移動ですので痛みも違和感も少ないことが期待できます。一方でワイヤー矯正は手技にもよりますが、一ヶ月ごとの調整で、ワイヤーに一ヶ月分の力が一度に働くようにしますので、一時的に強い力が働きます。そのためマウスピース矯正の方がトータルで痛みは感じにくいと言えるでしょう。一方ワイヤー矯正は一度に強い力加えるので、短期間で終えれる可能性はありますが、痛みが出やすく、強い力を加えつづけると歯の根が吸収する可能性もあるでしょう

③ 正確な嚙み合わせ
ワイヤー矯正 | 項目 | マウスピース矯正 |
確実 | 正確な咬合 | 不向きな点がある |
インビザラインをはじめとするマウスピース矯正はほぼ常にマウスピースをつけた状態で噛んでもらうので、上下の咬み合わせがマウスピースをつけた状態にマッチしてしまい、奥歯のかみ合わせが一時的に合いにくくなる側面はあります。歯科医師の適切な調整やマウスピースの再製から、咬み合わせの修正は容易なことですが、一時的に噛みにくくなるのはワイヤー矯正よりも頻度が多いかもしれません。

④ 取り外しできる利点
ワイヤー矯正 | 項目 | マウスピース矯正 |
歯ブラシが届きにくい | 清掃性 | ハミガキの時は着脱できる |
歯垢が溜まりやすくハイリスク | 虫歯歯周病 | リスクはさほど認められない |
着脱不可。不要。 | 自己管理 | 意図的に20時間以上つける必要 |
マウスピース矯正は取り外しができます。よってハブラシする際には外して、しっかりハミガキをしてもらえば歯周病や虫歯のリスクは高くならないでしょう。
一方でワイヤー矯正は取り外しが不要な点から、ハブラシ不足になりやすく虫歯や歯周病のリスクはとても高いです。一方でマウスピース矯正は自分で意識して20時間以上装着してもらうことがとても重要です。長時間つけ続けるのが難しい人には不向きかもしれません。

⑤ 来院頻度
ワイヤー矯正 | 項目 | マウスピース矯正 |
装置脱離時やワイヤー交換時には必須。来院頻度多め | 応急対応と来院頻度 | 来院頻度は少な目でも大丈夫 |
最後に来院頻度について。どうしてもワイヤー矯正の方が、そのつどワイヤーを交換する必要があるので来院回数は多くなりがちです。マウスピース矯正は、ちゃんと問題なく進んでいるか歯医者が心配なので来院していただき確認してる側面があり、来院回数は減らすことは可能です。

⑥ 最後にまとめ。利点と欠点
・ワイヤー矯正の利点 a. かみ合わせの確実性が高い。 b. 着脱は不可能であるが、ずっとついている分、歯の移動の確実性は高い。 | ・マウスピース矯正の利点 a. 透明で目立ちにくい。 b. 痛みを感じにくい。 c. 食事歯ブラシ時はつけ外し可能。 d. 来院頻度を少なくできる。 |
・ワイヤー矯正のデメリット a. 器具が目立つ場合がある。 b. 金属アレルギーの恐れも。 c. 痛みが発生する場合がある。 d. ハブラシ不良になりやすい。 e. 調整のための来院頻度が増えやすい。 | ・マウスピース矯正のデメリット a. 20時間しっかりつける意識が必要。つけない時間が長いと歯は動きにくい。 b. 最終的な咬み合わせの完成に時間がかかる場合がある。 |
いかがでしたでしょうか。今日はワイヤー矯正とマウスピース矯正の違いを大まかに説明させてもらいました。このほかにもワイヤー矯正にはワイヤー矯正に適した歯の動かし方、マウスピース矯正にはマウスピース矯正に適した歯の動かした方があり、双方には明確に向き不向きがあります。
もし歯の並びにお困りでしたら、歯科矯正に携わってる先生に相談してみることをお勧めいたします。その相談先の中に玉川歯科医院も選択肢に入れてもらえれば幸いです。矯正無料相談は随時行っておりますので、もしよかったら、いつでもお越しください。