コラム

オエってなりにくい光学印象

こんにちは。玉川歯科医院の玉川誠一と申します。
今日は歯の治療の型取りについて話を少ししていこうかと思います。
皆さんは歯の型採りとかやったことはありますか?

歯の型採りはピンク色の粘土のようなものを歯に押し当てて型を採ります。
このピンク色は何かというとアルジネート印象材と言います。ぶよぶよです。
最初は柔らかく、時間が経って固まるとある程度硬くなる性質で型が採れるんですね。
このピンク色の粘土で型採りが結構不快に覚えたり、人によってはオエってなったり吐きそうな思いをした人もいるかもしれません。

ですが、医療の技術は日進月歩。昨今はピンク色の粘土ではないもので型採りができるようになりました!

はい。こちらになります。
口腔内用光学印象スキャナー“iTero element(アイテロ エレメント)”です!……はい。ちょっと待ってください。
「インビザラインで使うやつでしょ、もう知ってるよ」とお思いの方、あと少しだけ待ってください。

口腔内用光学印象スキャナー

こちらの機械、確かに矯正治療で使うことが多いわけですが、この度普通の診療でも使えるようにアップグレードしました!

こちら虫歯治療後の光学印象スキャナーを用いての型取り時の3D映像になります。
カメラで撮影すると3D映像として歯の形が記録されるんですね。科学の力ってすごい。
図の歯がえぐれている箇所が、歯の詰め物をつくるために歯の形を整えた箇所になります。
ピンク色の粘土で型採るのと比べて、いくつか長所があります。

  • 物理的変形が無い高精度な印象データ
  • 気泡が入る等の模型製作時のエラーによる再来院がなくなる
  • 診療時間の短縮
  • 粘土が粘膜に触れないのでオエっとなりにくい
3D映像

オエってなりやすい嘔吐反射が強い方には朗報だと思います。
けどお高いんでしょう?
いいえ、2025年現在、光学印象は保険診療の範囲内です。

むしろ保険診療の範囲内での単独の歯の治療にこそ向いているかもしれません。……(注1)

けどお高いんでしょう?

こちらの口腔内用光学印象スキャナー“iTero element”の精度はそれこそ、矯正治療インビザライン矯正で証明済みです。
技工所から仕上がり出来上がった詰め物はこんな感じです!綺麗ですね!

詰め物

画像右下がセット後のお写真です。こんなふうにお口の中にピッタリ入ってますね!

当院ではこういった新しい治療も随時取り入れていっております。

全ての場合でピンク色の粘土を辞めるわけではなくケースバイケース、患者様に応じた最適な方法で治療していきますので、安心してご来院ください。

ピンク色の粘土

(注1)複数の歯を同時に型取りしたい場合、上の歯の全ての歯を同時に型採りなどはできるのですが、多数の歯がない状態での適切な噛み合わせの確認において光学印象は現時点においては不利かもしれません。また歯茎が腫れてると型採りが難しくなったり、銀歯や金歯などの金属のかぶせ物つめものは作ることができないなどの、光学印象にも向き不向きは存在します。

当院のインビザライン矯正についてはこちら

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